下林明正のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

ソフトウェア開発

他者育成について考える際に自分が意識していること

話す機会が多いわりにどこにもまとめられてなかったので書いてみる。 主には以下の3つを意識している。 SL理論 note.com レディネスを見極めてリーダーシップスタイルを使い分けよう、という話 大雑把には指示型=ティーチング、コーチ型〜援助型=コーチング…

未来、人、コードベースの観点で考えていたソフトウェア開発へのアプローチ

ソフトウェア開発 カテゴリーの記事一覧 - 下林明正のブログに仕事っぽいことはよく書いてるけど、2023年はあまり書いてなかった。 2023年前半~中盤に関しては大まかには logmi.jp で話していた通りという感じなので、それ以降をふりかえるには良いタイミン…

提案の型

仕事で何か提案するとき、うまくまとめられなくて提案が通らない、ということがある。 一般的な名称を知らないけど大体 背景 イシュー 施策と計画 うれしいこと (だからやるべきです) というような型を使うと、うまくまとめやすいと思ってる。 適当に検索し…

課題を洗い出して対処してるだけでうまくいくのか

課題管理表などを使って課題を洗い出して対処していくというアプローチは一般的な印象があるけど、本当にそれでうまくいくのかひっかかりがあった よくよく考えてみると、このアプローチでは未知の未知には対処できてないことに気づいた 未知の未知への対処…

自分がファシリテーションするときに気をつけていること(2)

過去にshimobayashi.hatenablog.comで色々書いてたけど、長い。 個人的には、以下のようにまとめられそう。 最速で最高の決定を目指す そのために、自分自身を含めた誰に水を向けるか考える 答えを出せそうな人 答えを出すために必要な情報を持ってそうな人 …

言い出しっぺの法則が好きでは無い

言い出しっぺの法則というものがある アイディアを言った人が責任を取って実行しなきゃいけない、みたいな慣習 でも、無い方が良いと思っている なぜなら、アイディアは多い方が良いと思っていて、言ったら実行しなきゃいけないだと言わなくなるモチベーショ…

アクアリウムと海

自分は気を抜くと開発プロセスとか会議体などを静的なものとして扱いがち 単純にそういう性格 でも実際は1回つくったら終わりということは無くて、状況に合わせて変化させていくもの アクアリウムっぽく接してるけど実際はそうではなくて、海っぽく接する必…

仕事が楽しいことは大事なことだなと思い直した

成果を出すにあたって仮に運・才能・努力の3つがあるとしたら、自分でどうにかできるのは努力だけなのでとにかくがんばろうということになる。 まあなんなら、運は才能と努力の掛け合わせである程度引き寄せることも可能、みたいに思うこともある。 ただ、努…

ここ1年の仕事の簡潔なふりかえり

ここ1年くらい色んなチームを転々として開発プロセスを整えたり開発計画を立てたりする仕事をしていた。 必要なことはできたとおもうけど、ここはもっとうまくできたなと後になって思うことも多かった。 せっかくなので、まとめておこうと思う。 1. 狙いを明…

「現金で困ってない状態」というメタファ

開発プロセスの変遷モデル - shimobayashiパブリックでは、課題に応じて開発プロセスが変遷していくということを考えていた 一方で、それだと局所最適に陥ることがありそうだな、とも思っている 本当はフェーズ3へ行った方が良いんだけど、フェーズ2でもそこ…

開発プロセスは勝てば官軍

blog.nishimu.land 呼びかけられたような気がする(?)ので、思っていることを素朴に書いてみます。 まず一番大事なこととして「成果を出せているのか?」があると思っています。 「ユニコーン企業ではスクラムなんかやってない」ことが注目されるのも、ユニコ…

正しいことは、正しく言わないと、正しく伝わらない

SNSを見ていたり人の話を聞いたりしていると、「職場で攻撃的な物言いをしてくる人に困っている」ということがある。 攻撃的な物言いをされる側は気分が落ち込んで生産性が下がったり、最悪退職してしまう。 そして攻撃的な物言いをする側は、いくら指摘して…

エンジニアリングマネージャーのしごと を読んだ

エンジニアリングマネージャーに興味があるので読みました。 エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法作者:James StanierオライリージャパンAmazon どういう本なのかは www.ryuzee.com を読めば大体分かると思いま…

心理的安全性とかHRTとかブリリアントジャークの個人的整理

自分としては、チームが成果を出すためには心理的安全性が重要、心理的安全性を高めるにはHRTが重要、反HRT的なふるまいをする人がブリリアントジャークと呼ばれている、という理解 心理的安全性: Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知…

アジャイルにならなくてもいいんじゃないか

アジャイルとは、トライアンドエラーを効果的に行うための知識群、だと思う トライアンドエラーするのはどういうときかというと、やってみないと分からないとき やってみないと分からないときはどういうときかというと、その時点での能力を超えた仕事をする…

「技術は手段」の落とし穴

「技術は手段」とよく言われるし、自分もそう思っている側の人間 趣味でゲームつくってたときからわりとそうだったし、仕事でも技術はあったけど失敗した例も目にしてきているので…… ただ「技術が目的」になっている人たちは確実にたくさんいて、「技術は手…

チームトポロジー を読んだ

必要にかられていて、社内でも読書会がはじまった。読書会はまだやってるけど、先行して読み終わった。愛称は「ちいとぽ」らしい。 チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計作者:マシュー・スケルトン,マニュエル・パイス日本…

スクラムで余白をつくるにはどうするといいのか

余白=リファクタリングとか、便利ツール導入とかする余裕 直感的には、本筋でいえばPOとの議論を経てプロダクトバックログに積まれるべきなんじゃないか 「透明性」「検査」「適応」ってことで SCRUMとXPを組み合わせる場合、リファクタリングはプロダクトバ…

課題にとにかく向き合い続けるのが良いのだろうと思っている

最近、様々な面で課題にとにかく向き合い続けるのが良いのだろうと明に思っている。 問題 vs 私たち - shimobayashiパブリックなどと一般的によく言われている 組織変革系の本をいくつか読んでみたけど組織変革の進め方 - shimobayashiパブリックに書いた通…

スクラムは楽しいのか

スクラムで開発が楽しくなるみたいな話と、スクラムで開発がつらくなるみたいな話、両方ある気がする 多分両方とも正しいんじゃないか、と予想している プロジェクトマネジメント手法としてのみスクラムやアジャイルの知見を取り入れたとき、確実につらくな…

逆コンウェイ戦略を採用したからといってかんたんにソフトウェアのアーキテクチャが変わるわけではない

承前: 逆コーンウェイ戦略とDevOps, Microservices, Agile | an Agile Way 逆コンウェイ戦略と聞くと 組織構造 > アーキテクチャ という気分になりがち でも実際はコインの表と裏みたいな関係で、アーキテクチャが組織構造に保存されるように、組織構造がア…

なぜ自分の提案が響かないのか

承前: ロードバイクにまったく興味がない人にどうやってロードバイクを買ってもらうかみたいな話 - 下林明正のブログ 自分の視点では「油をさしたら良いよ」くらいの、明らかに手間はかからないしやったほうが良いレベルの提案しかしていない、つもりでいる…

ロードバイクにまったく興味がない人にどうやってロードバイクを買ってもらうかみたいな話

ボロボロで油もさしてないママチャリに特に疑問を抱かず乗ってる人は多い そういう人にロードバイクおすすめですよと言っても当然全く響かない そもそも冷静に考えるとロードバイクがおすすめである理由も特に無くて、単に自分がロードバイクが好きなだけだ…

ソフトウェア開発チームの分割について考えてみる

必要にかられているので考えてみる。 個人の記憶・憶測で構成されているのでデタラメかも知れません。 なぜ、チームを分割する必要があるのか コミュニケーションコストは小さい方が良い どこまで分割する必要があるのか どうやって分割するのか 逆コンウェ…

Vモデルと反復型開発の境界をどこに置くのか

ということについて一緒に話す機会あって、おもしろい話題という気がしたし、現時点での考えをまとめておくと何かしら便利な気がしたので、考えながら書いてみようと思いました。 特に学術的な裏付けなどはなく、個人の感想です。 別に特殊な話題ではない気…

アジャイル推進活動にここ1年で吉兆がみえてきた要因について

この記事はCalendar for はてなエンジニア | Advent Calendar 2021 - Qiitaの21日目の記事です。 はじめに 周囲を巻き込む要因になったできごと 周囲を巻き込む要因にならなかったできごと まとめ はじめに 現職で個人的にアジャイル推進活動1を長い間やって…

Clean Agileを読んだ

なぜか紙の本を貸されたので読んだ。 Clean Agile 基本に立ち戻れ (アスキードワンゴ)作者:Robert C.Martin,角 征典,角谷 信太郎ドワンゴAmazon 紙の本なのでハイライト機能などが使えずに感想を書きづらい。ざっと印象に残った点などを書く。…

モノリスからマイクロサービスへ を読んだ

これもおすすめされたので読んでみました。 結構読むのに時間がかかった印象だったけど、意外と前回の読書エントリーから1ヶ月くらいしかあいてないのでいつもどおりのペースっぽい。 内容の割には時間がかかってる、みたいなのはあったかも知れない。 モノ…

リモートワーク環境とゲーミング環境をコスパ良く同時に快適にした

普段はリモートワークとゲームを別々のPCでやっているんだけど、ふとUSB切替器を使って両方のPCでデバイスを使えるようにしたらコスパが良いのでは?と思い試してみたところ、うまくいった。 USB切替器 DAC+イヤフォン マイク+骨伝導ヘッドセット ウェブカメ…

エラスティックリーダーシップ を読んだ

なんとなくタイトルがいけ好かないと思って読んでなかったけど、おすすめされたので読んでみることにしました。 エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方作者:Roy OsheroveオライリージャパンAmazon 前半は作者の主張(チームの状態に応じて…