下林明正のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

マネジメントの世紀 を読んだ

おすすめされていて気が向いたので読んだ。 1900年代のマネジメントが10年ごとにどう変遷していったかを教えてくれる。

自分はこういう本好きそうだと自分で思うけど、実際はめちゃくちゃ面白いという感じでは無く、かといってつまらなくもなく、みたいな感じで読み進めていた。

自分が知っているマネジメントに関する知識はせいぜいここ20年くらいの新しいものしか知らないので、それがどういう流れでそうなっているのか雰囲気を掴めたのは結構良いんじゃ無いかと思う。 日本企業がどういう流れで注目されて研究されてたのかとか、いつ頃から確実性の時代が終わって不確実性の時代に突入していったのか、といったことが分かる。

基本的には目次を見れば何となく分かるけど、そんなに良い感じの目次にはなってないので中身を覚えてないと何となくまでしか分からない。 Kindleならハイライトとかと合わせて見ると素早く把握は可能かも知れない。

普段何の気なしに考えていると科学的管理法っぽいことを考えがちだけど、それがどういう問題があってどう淘汰されていったのかというところを学べたのも結構良かった。 他にもよく見かけるリーダーシップ論だとか、そういうものの時代的背景なども掴むことができるので理解度が高まると思われる。

以前 開発プロセスは勝てば官軍 - 下林明正のブログ というエントリーを書いたけど、その時点では勝っていたとしても将来にわたって勝てる保証は無いし、そのとき勝っていたからといってそのマネジメントが正しかったことの保証にもならないということを突きつけてくれる(ので、勝てば官軍という表現を自分は意識的に使っていた)。

なんかめちゃくちゃためになる分かりやすい教条的なメッセージがあるかというと、そういうものは無い。

あんまりこういう本は無いと思うし、別に知ってる必要も無いけど、知ってたら知ってたで知識に深みが出る。 知識そのものというよりは、各々の知識の背景という感じ。 ので、マネジメントの分野に関心があって色々な本を読んでいるなら、この本も読む価値はあると思う。