マネー本を読み直す自分の中の流れで、そもそもどういう資産形成したいかとかそういうのあんまりちゃんと考えられてないんだよなと思い、アーリーリタイア系の話題に興味があったので試しに読んでみることにした。
表紙からしてかなり怪しいわけだけど、読んでみると思ったよりもおもしろくてかなり調子よく読み進めることができた。
なぜおもしろかったのか考えてみると、著者の考え方が自分に近いように感じたからだと思う。
- 中核となるポートフォリオ理論について元々知っていた
- 節約=不幸ではないという考え方
- 仕事=人生ではないという考え方
主にはこういったところじゃないか。 著者の自分語りを割と激しく入れながら進んでいくので、人によって好き嫌いはありそう。 自分は結構好きだった。
自分なりにどういう本だったか思い返しやすいように気になったところをまとめてみる。
本書 は お金 について の 本 の よう に 見え ます が、 そう では あり ませ ん。 本書 は 時間 について 書か れ た 本 です。
- これはそうだと思う。人生の時間をどういうふうに使いたいのか考えてから逆算すると意外といくつか選択肢がありますよ、というのがこの本の趣旨だと思う
- その選択肢を与えてくれるのがこの本でいうところの4%ルール
- 別に仕事が好きならずっと仕事をすることも否定してない。仕事をしないことも否定していないし、パートタイムの仕事も否定してない。なぜなら、その人の人生がそうだというだけの話だから
- これはそうだと思う。人生の時間をどういうふうに使いたいのか考えてから逆算すると意外といくつか選択肢がありますよ、というのがこの本の趣旨だと思う
- ミリオネアには3種類いる(18章)
- ハスラー
- 起業家のこと
- 投資家
- 利回り20%以上を出せる人のこと
- オプティマイザー
- 倹約家のこと
- この本では、再現性があるのはオプティマイザーだけとしている。まあ実際、(ミリオネアになれるかどうかは置いといてFIREできるかどうかという観点では)そうだと思う
- この本に限らずアーリーリタイアの話でいつも焦点になるのは支出の方。低コストで生きていけるほどリタイアするための資産は少なくて済むから
- 最近ちらほらと、さほど資本は無いけどド田舎で極限までコストを抑えてアーリーリタイアしてる人たちが話題になってる気がする。あれは支出を下げることを突き詰めた例なんじゃないか(しかしああいうのちゃんと読んだことないので、違うのかも)
- ハスラー
- 完全なFIRE以外にもリタイアにもいくつか種類がある(17章)
- 働きながらリタイアする!3種類のFIRE術 | ゆとりいんべす
- サイドFIRE
- 副業を続けることでハードル下げられるよ的な話
- リタイアではない気もするけど、まあそういう人生はあっても良いと思う。個人的にはあまり興味が無い
- パーシャルFI
- 短時間働くことを許容すればハードル下げられるよ的な話
- リタイアではないのでREがついてない
- 個人的には一番興味と現実味を感じている。全く働きたくないわけじゃないけど週休2日だと少ないんで、週休3日、4日……と増やしていって自分にとってちょうど良いところを見つけたい気持ちがある。あるいは、1日8時間だと長すぎるんで、6時間、4時間……と減らしていくのでも良い。実際は、両方の掛け合わせな気はする(週休3日1日6時間労働、とか)
- とりあえず、週休3日を認めている会社は最近ちらほら出てきてますよね
- 地理的アービトラージ
- 物価の安いところに引っ越して暮らそう的な話
- インターネットでは結構セブ島とかに移住してる人たちも見かけた気がする
- 個人的にはあんまり海外志向は無いので興味ない
- 4%ルールだけだと個人的にはあまり目新しいことは無かったけど、いくつかリスクヘッジのための方策を紹介していたのが良かった。この本の言葉を借りると「閉ループ制御」とか「終わりなき再リタイア」とのこと(13章、11章)
- 4%ルールが目新しくないというのは、〈新版〉投資信託選びでいちばん知りたいこと を読んだ - 下林明正のブログとかでリスク抑えた良い感じのポートフォリオを組むと大体期待リターンが4%~くらいになるみたいなことは覚えてたので、グラスからこぼれるワインだけ飲んでれば生きていけるよねとは元々思っていた
- 利回りシールドと現金クッション
- FIRECalcで随時健全性を評価して軌道修正する
- この本は投資信託よりもETF推し(9章)
私 たち が 投資 を 始め た とき は、 投資信託 が ほぼ 唯一 の 選択肢 でし た が、 最近 では もっと 良い 選択肢 が 登場 し まし た。 上場投資信託、 つまり ETF です。
ただ、 ETF にも 1つ だけ 欠点 が あり ます。 投資信託 は 通常、 取引 ごと に 手数料 は かかり ませ ん が、 ETF は かかる 場合 が あり ます。
ただ、 最近 では ETF の 売買 手数料 が 無料 の 証券口座 も 多い ため、 もはや 投資信託 を 利用 する 理由 が ほとんど あり ませ ん。
- 前回読んだマネー本もETF推しだったし、時代が変わってきてるっぽい?ちょっとちゃんと調べないといけないかなー(こういうことを知るために、数年スパンでマネー本を読んだ方が良いと思っている)
- 著者のポートフォリオの意図はよく分からなかった
- 基本的には世界分散投資しましょう、以上!みたいなもんだと思っていた
- 国際分散投資は机上の空論 | 高岡壮一郎著『富裕層のNo.1投資戦略』特設サイト
- なんかこのページめっちゃ長文の一部って感じでコンテキスト分かってないけど、自分がイメージしてたポートフォリオ理論に基づく投資はこういうイメージだった。関係無いんだっけ?
- 国際分散投資は机上の空論 | 高岡壮一郎著『富裕層のNo.1投資戦略』特設サイト
- まあ、前回読んだマネー本もまた別の投資戦略みたいなのをおすすめしてたし、この辺は色々と宗派があるのかも
- 基本的には世界分散投資しましょう、以上!みたいなもんだと思っていた
- 筆者は賃貸でも持ち家でも良いけど、計算したら基本的に賃貸有利になると思うから計算してみな、という感じだった(7章)
- 個人的には、投資目的で持つにはポートフォリオが大きく崩れるので持ちたくないし、居住目的で持つにしても多分10年後はまた別の場所に引っ越してる気がするので持ちたくなくて、そもそも持ち家に興味が無いのであまり悩みは無かった
気になったところは大体こんな感じだったかな。他にも子育てしててもFIREできるよとか、世界旅行しながら暮らした方が生活費抑えられるよみたいな章とかも多分大きなトピックだったとは思うけど、個人的にはあまり興味が無かったのでサラッと読み流した。
ただまあ、なんとなくこの本は今後詐欺の常套手段として使われていくんじゃないかなあ、という気もする。 金持ち父さん貧乏父さんを読んだ - 下林明正のブログみたいな感じで。 例えば、シェアハウスと自給自足による低支出で実現するFIRE村的なコミュニティが出てくるとして(もうすでにあるかも)、その実態はカルトだったり……とかあり得るんじゃ無いか、とかパッと妄想した。知らんけど。
個人的には無目的に仕事していると、もっとガンガン働かなきゃいけないのかなとか、収入は今のままで本当に良いのかなとか、もっとプライベートに時間を割きたいんだけどどうしたもんか……みたいなことがぐるぐる頭の中を回っているんだけど、それは自分の人生に計画が無いからだな、とこの本を読んで思った。 元々個人的なことでも、安心するために目標や計画を設定する - 下林明正のブログということは考えていたので、人生計画をより具体的なものにするのにこの本の内容は使えそう。具体的にできると、前述のような悩みに具体的に答えられるようになると思う。 この本でも、以下のような下りがある
「博士 号 を 取る ため に 大学 に 戻る べき か」、「 教師 を する ため に アラスカ に 引っ越す べき か」、「 家 を 買う べき か」 といった 質問 も、「 もし X を すれ ば、 リタイア までの 期間 が Y 年 延びる」 といった シナリオ に 落とし込め ば、 答え られる よう になり ます。
そして自分は昔から割と倹約は得意な方なので(といいつつ年間の支出をちゃんと把握してないので実際はそうでもないかも知れないが)、別にミリオネアと言わず大した資産をつくらなくてもパーシャルFIあたりはそう遠くない未来に結構現実的なんじゃないか?という気がする。 今の仕事はそんなに嫌いじゃ無いけど、フルタイムは長いな……と思ってるという感じなので。 ただまあ、実際には仮に勤務時間短くするとこれまでと同じような仕事はできなくなっていくとは思うので(マネージャー業みたいなのは厳しいだろう)、そういうところも含めて考えていく必要はあるだろう。
とまあここで計画を立てる前に、日本には日本に合ったやり方があると思うので、国内から出ているFIRE本もいくつか軽く読んでみようかなという気分になってきた。実はすでに以前見繕った候補があるので、読んでみよう。