ソルトベイトフィネスに興味はあるけど全体的によく分からない、初期投資が高すぎて手を出せてないという人に向けて参考になるかと思い、自分が知り得たことについて書いてみます。
なお、ベイトリールについて何も知らない初心者が書いてるので、参考にする場合は自己責任でお願いします。 基本的にプロが発信している情報を正として、ここに書いてあることは一意見程度に捉えてもらえればと思います。
ソルトベイトフィネスがなんか楽しいらしいと聞いてて気になってたんですが、ソルトベイトフィネスタックルを素直に買うと、
こんな感じで7万円ドーン!!みたいなイメージだったんですが、工夫すれば1~2万円くらいで導入できることが分かったので2週間ほど試行錯誤してみて自分の中で一段落した感じです。
ベイトフィネスタックルを激安で調達する
リール
これに
これを入れます。バスベイトリールってなってますがソルト対応だそうです。
このあたりも参考になりました。
最初はノーマルギアのを中古で安く手に入れようとしてましたが、うまくいかなかったのとハイギアが欲しくなって結局店頭で巻いて良さそうなやつを買いました。
巻き取り長さを計算してみたところ、
- ハイギア: (直径27mm * 3.14) * ギア比7.3=62cm
- ノーマルギア: (直径27mm * 3.14) * ギア比6.3=54cm
- (参考)レガリスLT1000S: 64cm
- (参考)レガリスLT2000S: 68cm
ということだったので、ノーマルギアだとさすがに巻き取り長さが短すぎたような気もします。
ベアリングに注油などする場合はこちらも参考にしてください。
元々バス釣りとかやっててすでにベイトリール持ってるなら、そちらをいじった方がおそらくコスパ良いかと思います。
ブレーキシステム
を参考にいじりました。
なお、磁石の直径は5mmでした。
100個も要らないけど、ちょうどいいのが品切れだったので自分は100個入りを買いました。
板材は自分は100均のホワイトボードを破壊して調達しましたが、両面テープが落ちなかったりして面倒だったのでできれば無垢のヤツを用意した方が良いと思います。
板材のカットはハサミで調整するのが大変なので、なるべく一発で使えるのを目指してやった方が良いです。
純正の磁石をマグネットブレーキから取り外す際にダイヤルをMAXにしてほじってたらこわれてしまってバラすはめになったので、ダイヤル5くらいにしてやったほうが良さそうでした。バラす場合は部品を無くさないように展開図を見ながらやりましょう。ちなみにドライヤーで温めても全然取りやすくなりませんでした。
そして、板材が海水で使っていると水洗いしてても簡単にサビが浮いてくるので事前に対策をおすすめします。自分はクレ666があったので他の箇所にかからないようバラしてから噴射しましたが、マスキングなり指で覆うなりすればバラさなくても特に問題無いかと思います。
最終的にはこんな感じになりました。
ライン
メバルプラッギングを意識していたので今のところPEしか試してません。
色々試してみましたが、結論としては世間的に言われてるように0.6号が良いと思いました。巻く量は50mくらいでいいんじゃないか。ライントラブルが多いのでどんどん無くなっていきますのでそのつもりで。
単純に0.4号だとキャストミスしたときに高切れするので釣りになりませんでした。 逆に0.8号とか1号は特に問題ありませんでしたが、飛距離のことを考えると細い方が良いかなと。
とりあえず最初はラインをどんどんダメにしていくと思うので、0.6号以上の余ってるラインがあればそれを巻くのが良さそうです。
巻き方ですが、自分は最初ナイロンを下巻きして電車結びでPEに結束して……とやってたんですが、下巻きは無い方が良いです。スピニングと違って糸巻き量が極端に少ないので、ナイロンの結び目がトラブルの元になるからです。直接PEをスプールに結びましょう。 冬場にラインが滑らないか心配ですが、多分それを避けるためにスプールに溝が入っているということなはず(ライン滑りはスピニングだけど溝が入っているダイワリールでは起こったこと無くて、シマノリールでだけ過去発生した)。
せっかくスプール重量を軽くしたのに下巻きで重くするのもあまり良く無さそうというのもあります。
リーダーはお好みで良いと思います。どうせどんどん無くなっていくので、最初の内は短めのリーダーをササッと結ぶくらいで良いんじゃないでしょうか。
その他カスタム
自分はやってませんが、こんなカスタムもあるようです。
あとは個人的にクラッチレバーの見た目が安っぽくて好みでないんですが、互換性のあるパーツがどれなのかよく分からなかったので他リールのパーツと交換可能かどうかも分からなかったです。誰か知ってたら教えてください。
ロッド
自分は中古ロッドを買いました。
新品で買うとお試しには結構なお値段ですね……。
安いものは正直選択肢がかなり少ないので、買える物を買うという形になると思います。
一番入手性が高いのは鱒レンジャーかと思います。使ってないのでよく分かりませんが。
ソルトだとちょっと短いような印象です。
キャスティングについて
マジで難しい!!
この辺を参考にすると良さそうでした。他にも素人の意見が色々出てきますが、僕は素人の意見を参考にした結果遠回りしたので見ない方が良いと思います(つまりこの記事も……)。
試行錯誤の様子は以下のツイートにぶら下げておきました。
激安タックルでベイトフィネスメバリングに初挑戦してみたけど、想像の5倍くらい難しかった。
— メキシコの漁師 (@shimobayashi) 2023年5月9日
飛ばないとかバックラッシュするとかは我慢できるけど、高切れは我慢できないのでとりあえずラインを太くして巻き量を少なくするところからはじめると良さそう
一応個人的な結論は
- とにかくバックラッシュを起こさずにいかにルアーに運動エネルギーを与えるのかが至上命題
- バックラッシュが起きる原因から考えると、とにかくロッドを暴れさせないことが大事
- 暴れさせないために、以下の所作が重要
- 強すぎない切り返し。素振りしてロッドがカクッとなってたらNG
- そのために、振りかぶりはスローで良い
- 十分なフォロースルー
- 強すぎない切り返し。素振りしてロッドがカクッとなってたらNG
- そして、強い力を与えるときほどロッドを暴れさせないために可動域が必要
- なので、スピニングよりもフルキャストできる場所を選ぶ印象
という感じです。 飛距離を求めて少しでも色気を出すと盛大にバックラッシュしてめちゃくちゃ後悔するので、自制心が求められます。
飛距離に関しては
- 現状スピニングタックルの60~70%程度しか飛んでない
- 5~6g程度のシンペンをスピニングで35~40mくらい飛ばせてるとしたら、ベイトフィネスでは自分は20m~25m程度しか飛ばせませんでした
- キャスティングに習熟することで+5%~15%くらいは差分を埋めることができそうな印象
- まあでも、習熟が必要ということがミスったらバックラッシュするということなので、こっちの方向でがんばるのはあまり実用的でない印象です
- 機材を詰めることで+5%~15%くらいは差分を埋めることができそうな印象
- 複合的な考え方になりそうだけど、多分一番大事なのはブレーキシステムなんじゃないか。知らんけど
- 現状わざわざブレーキをかけてスプールの回転を落としている状態なので、ボトルネックはそこにありそう
- より理想的なブレーキ特性を実現できると、バックラッシュせずに遠くまで飛ばせそうな印象
- 複合的な考え方になりそうだけど、多分一番大事なのはブレーキシステムなんじゃないか。知らんけど
- 構造的にスピニングより飛ぶということは無い、と思う
- けど、以下のような話もあるようなのでケースバイケースっぽい。難しいですね
- まあ多分、ソルトベイトフィネスで扱うような重量に関してはスピニングより飛ぶということは無い、と思う
なお、キャストウェイトに関しては自分は3g~6g程度のプラグしかやってないのであまり語れることはないです。 多分1.5gのジグヘッドとかも投げられなくはないと思うけど、飛距離は全く期待できない印象です。
感想
一応ベイトフィネスタックルで数釣りもできたりしたんですが、色々と思うことありました。
使える場所がとにかく限られる
飛距離の問題
前述の通り(僕は)スピニングの60~70%くらいしか飛ばせないです。 なので、その飛距離で釣りが成立する釣り場を選ぶ必要があります。
また、柵や障害物があるとキャストの仕方も制限されるので、さらに飛距離が落ちると思った方が良さそうです。
バックラッシュの問題
バックラッシュが起きるとラインを地面に出していくことになるんですが、これってつまり磯とかでやるとラインが磯に絡んで終わってしまうので、地面にラインを出しても問題無い釣り場でしか使えないと思った方が良いです(絶対バックラッシュしない自信があるなら良いかもですが、自分には無理そうです)。
磯といわず、例えば際にフジツボが生えてるとかでもアウトですし、底質が岩っぽくて沈んでいったラインが絡まったりしてもアウトです。そこんとこよく考える必要があります。 自分は普段はいける場所でも潮位が下がってきてフジツボが露出してきてアウトになった、ってこともありました。
このあたりはPEじゃなければもう少し条件は緩和されるのかも。
ソルトベイトフィネスにメリットがあるとしたら
縦の釣りが圧倒的にやりやすいことだと思います。
キャストアキュラシーについては実用的な飛距離を出そうと思うとアキュラシーを出せない投げ方に自分はなりがちだったので、特に実感できませんでした。
フリーフォールのアタリが取りやすいとか、スピニングよりもスプールの回転抵抗があったりサミングなどでフリーフォールでもスローに落とすことができるのも使い道があると思います。
なので、岸壁ジギングとか岸壁ライトワインドとかには向いてると思います。
あとは多分ライトロックフィッシュとかライトチニングも向いてると思うんですが、バックラッシュの問題もあるので釣り場は選びそうです。 聞いたことありませんが、もしかしたらライトタチウオテンヤとかはドンピシャで向いてるかも知れません。 アジングも向いてそうな気がしますが、現状非常に高価なタックルが必要そうなので個人的には範疇外です。
楽しいかと言われると……
ぶっちゃけ自分にとってはバックラッシュのストレスの方が大きかったですね! バックラッシュが起きるのは飛距離を求めて無茶するからなので、やっぱり飛距離が必要無い釣りをするならアリ……という印象でした。
岸壁を片手で上手いこと操作して攻めるのはそこそこ楽しかったですけどね。 あとは、スピニングと釣趣が違うのは確かなので、味変要員として活用するとかかな。
飛距離よりもキャストアキュラシーが求められるような釣りだとダーツとか輪投げとかみたいな感じで楽しめそうな印象もありました。 まあ別にソルトベイトフィネスでもあそこに投げるぞ~ってやったら同じ楽しみ方もできそうなんですが、自分は基本夜釣りなんでどこに着水したかなんてよく分からないんですよね。 デイゲーム中心だったらもう少し印象も変わってたかも(まあ、仕事などの都合上難しいですが)。
自分はやってないのでよく分かりませんが、エリアトラウトとか渓流ベイトフィネスでは飛距離要らなさそう・ピン撃ちも必要そうなので十分に使えそう・楽しそうな印象はあります。あとは当然元々の用途であるところのバス釣りとか。
今後
自分がやってる釣り場だとあんまり合う釣り場がないので、使うとしたらサブタックルとして現場に持ち込むという形がメインかなと思います。スピニングで普通にやって反応がなかったら岸壁をローラー作戦で攻めて拾っていく、みたいな感じですかね。 まあ、今はやってない釣りも含めて機を見て試行錯誤してみようかとは思っています。
あとは、(元々いまいちだったらボート釣りに流用するつもりで買ってたこともあって)スプールを純正に戻してボート釣りで使うのもありかと思ってます。スプールだけならすぐに交換できますしね。カワハギは普段ブレーキシステムが無いリールでやってるので、巻き取り長ささえ気にしなければ普通に使えそう。 ボートマゴチなんかももしかしたら良いかもですね。 ブレーキシステムも最悪元に組み戻すこともできます。
そんな感じで、ソルトベイトフィネスってどうなんだろう?とずっと気になってたんですが、やってみてそこそこ満足してきました。
色々考えたり機材をいじったりする必要があったので、以前よりもそのあたりの知識や考え方の幅は確実に広がったかと思います。
そういうのに興味があるけどお金はかけたくない、という自分のような場合は良いんじゃないでしょうか。