下林明正のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

プリティーリズム・オーロラドリームを久しぶりにみた、そのメモ書き

プリティーリズム・オーロラドリームを久しぶりにみた。もしかしたら完走したのは初回かも知れない。もともと謎の感動があるアニメだと思っていたので、その感動が何なのかということをぼんやり思いながらみていた。このエントリーはそのメモ書きです。

自分自身は特に専門的な知識を持った人間ではなく、単なる感想です。 何も考えずにダラダラ書くのでネタバレには配慮しないということでよろしくおねがいします。

ちなみにプリティーリズム・オーロラドリームとはこれのことです。

ja.wikipedia.org

謎の感動が何なのかというと、おそらく奇抜な設定や演出が目立ちすぎていてストーリーの方に意識がいってなかったということなのではないか、と思う。 ストーリーそのものは「オーロラライジング」を中心とした王道的なスポ根モノで、さらに複数のキャラクターたちの異なる物語が絡み合ってプリティーリズム・オーロラドリームの物語を構成しているという構造なので、感情移入できる余地も大きくなっているような気がする。 また、自分は「決死の覚悟」みたいなのが遅くとも10代中盤くらいからなぜか好きなので、多大なリスクを伴うオーロラライジング(失敗して記憶を失った人などもいるらしい、理屈は不明)に挑戦する様子が刺さったのだと思われる。

じゃあプリティーリズム・オーロラドリームを構成する主要な物語は何だったのかというところで、4つあると捉えたのでそれぞれについてかんたんにメモしておきます。記憶ベースなので解釈が恣意的だったり間違ってたりするとは思います。

  • みおん(自己受容の物語)
    • 幼少期から忙しい両親にかまってもらってこなかったことに対して、大人らしい・自立した・プロの演者=「クールな自分」として振る舞うことで自己正当化をしている、というのがスタート地点
    • そこから、あいらやりずむとの活動を通じて友情や愛情を求めたり感情的になったりする「ホットな自分」がいることに気づき、段々と従来の自己認識との乖離に思い悩むようになる
    • りずむやあいらがオーロラライジングを目指すのに対して、みおんはオーロラライジングを超える自分自身のあたらしいジャンプを目指す。これは「クールな自分」としての自尊心や自立心の表れだと思う
    • 最終的には「クールな自分」も「ホットな自分」も本物の自分だと認め、あたらしいジャンプ(自己表現)に至る
    • ということで、自己受容の物語だなーと受け取った
  • あいら(夢の物語)
    • 抜群のファッションセンスを持っているという以外はプリズムスター(=みおん)に憧れるふつうのおんなのこというのがスタート地点
    • ひょんなことからプリズムショーの世界に巻き込まれ事務所に所属するようになり、夢をみているだけでなく夢を追いかけるようになっていく
    • 物語の中盤くらいで、憧れのみおんとグループ活動をすることになる。最初は呼び方が「みおん様」だったのが「みおんちゃん」になり、夢を追いかける状態から夢と肩を並べるようになる
    • 中盤以降は気づけば周囲からもプリズムスターとして認知され、むしろあいら自身が(過去のあいらにとってのみおんのように)夢として追いかけられる。また、阿世知社長のオーロラライジングを飛ぶという夢を託される立場になる
    • 終盤ではオーロラライジング・ドリームを飛び、阿世知社長の夢を叶えるだけでなく、聴衆にすらオーロラライジングを飛ばせてしまう。これは「みんなの夢を背負って、実現する」というアイドルとしての完成だと受け取った(アイドルについてよく知らないけど、多分そういった感情移入の対象なのだろうと推察している)
    • あいらに「ただ夢を追いかけていたらこんなに素敵なところにくることができた」的なセリフがあった気がする。そんな感じで、夢ってのはいいものだよ、という物語だと受け取った
  • 阿世知今日子と神崎そなた(贖罪の物語)
    • MARsの3人の物語が主役だとしたら、この2人の物語はそれを支える屋台骨としての物語
    • 阿世知今日子はトレーナーの母親(オーロラライジングの考案者)との反目から自分自身の力で実績を出すことで自己正当化しようとしており、そのためにプリズムスターとしての活動を続ける。神埼そなたは人生に絶望しかけていたが、阿世知今日子のプリズムショーをみたことをきっかけにプリズムスターを目指すようになり、デビューする。2人は良きライバルとしてお互いを高め合うが、神埼そなたが結婚・出産(=りずむ)を機にプリズムショーから一度引退する
    • 阿世知今日子がテレビ放送でオーロラライジングに挑戦することを宣言、そして神埼そなたがプリズムショーに再デビュー・オーロラライジングに挑戦するよう仕向ける。このあたり記憶が曖昧だけど、神埼そなたが阿世知今日子の母親の元でオーロラライジングを練習することを見越して、その神埼そなたに勝つことで自己正当性を証明しようという感じだった気がする。神埼そなた自身はプリズムショーへの想いに加えて阿世知今日子が助けを求めていると理解し、あえてその誘いに乗った、といった感じだった気がする
    • 結局阿世知今日子はオーロラライジングに失敗し、神埼そなたはオーロラライジングを成功させる。しかし神埼そなたは「全てを犠牲にしなければオーロラライジングは完成しない」という考え(これは実際には間違いで、おそらく正しくは「全てを犠牲にしてもし切れない、最後に残った本当に大切なものを表現するのがオーロラライジング」だったと思われる、多分。物語の終盤で実は完成していたことが明かされる)と、オーロラライジングを飛ぶために犠牲にした家族への自責の念の板挟みにあい、失踪してしまう。阿世知今日子はライバルを追い詰めてしまった自責の念に駆られ、オーロラライジングを飛べばそなたが戻ってくると考え挑戦するもついに成功することなく引退してしまい、後にあいらたちが所属する芸能事務所を立ち上げる(これはおそらく自分が飛べなかったオーロラライジングを自分の代わりに飛んで欲しいという願望の表れだった気がするけど、自信なし)。そなたもその後オーロラライジングの完成をかなめに託す(なので教えは「プリズムジャンプに心は要らない」)
      • 神埼そなたに関しては恵まれない子供だったため「今の幸せが怖い」といった発言もしていたはずで、心理学に成功しすぎていると感じるとわざと失敗してしまうみたいなやつがあったと思うんだけど、そのことも破滅的な選択をとった一因になっていそう
    • その後なんやかんやあって、りずむがオーロラライジング・ファイナルを飛びそなた自身のオーロラライジングも完成していたことを知り、りずむを捨てたそなたをそれでもりずむは愛していることを伝え、自責の念から解放され家族として戻る。そのことで阿世知今日子も自責の念から解放される。あいらのオーロラライジング・ドリームで2人共オーロラライジングを飛び、阿世知今日子は母親にも認められる
    • とまあそんな感じで、2人の罪(自責の念)があいらとりずむの物語の発端となっており、最終的には救済されるというストーリだったと思う
  • りずむ
    • 自分はりずむが一番良くわかってない気がする。序盤から一貫してきっとどこかで生きている母親に振り向いてもらうためにがむしゃらにオーロラライジングを目指し、最終的にはオーロラライジングを成功させ自分を捨てた母親が自分を愛していたことを知り家族として戻る、というストーリーだとは思うんだけど、なんかそう書くとメッセージ性が薄い気がするんだよな
    • 途中で交友関係を断ち切ってオーロラライジングを完成させようとする悪堕ちシーンみたいなのもあるんだけど、結局それは間違いだったねということで仲間たちの協力を得てオーロラライジング・ファイナルを成功させる、という点ではいわゆる努力・友情・勝利の物語と取ることもできるけど、そういってしまうとやはりメッセージ性が薄い気がする
    • なにか見落としてるのかも

という感じで、りずむに関してはちょっとしまらなかったけど、感動的な複数のストーリーが相互に絡み合うことで1つの大きな物語になっている、と理解しています。

最近はディアマイフューチャーもおもしろいエピソードだけかいつまんでみていて、今度はこっちが悪堕ちしたのか……と楽しんでいるところです。プリティーリズムシリーズめちゃくちゃ物量があるので、あんまり沼にハマりすぎないようにしたい。