ソフトスキルみたいなのを身に着けたいと思って読んだ。
すべての厄介な問題は、関係性のなかで起きている。現場で起きる「わかりあえなさ」から始まる諸問題は、ノウハウで一方的に解決できるものではありません。その「適応課題」と呼ばれる複雑で厄介な組織の問題をいかに解くか。それが本書でお伝えする「対話」です。忖度する・論破するでもなく、相手の「ナラティヴ」に入り込み、新しい関係性を構築すること。それこそが、立場や権限を問わず、新たな次元のリソースを掘り出して、組織を動かす現実的で効果的な方法なのです。組織論とナラティヴ・アプローチの超実践的融合。いま最も注目の経営学者、待望のデビュー作!
内容の方向性としては、自分が求めていたものど真ん中だった。 「適応課題」に対して「ナラティブ」を切り口に、「私とそれ」の関係から「私とあなた」の関係へなるよう橋をかけていきましょう、こういうふうに橋をかけていきましょう、という内容。
ただ、具体的な橋のかけ方についてはよく相手を観察してかけましょうという感じで、あんまり具体的な方法論みたいなのはよく分からなかった。それが適応課題なんですということなんだろうけど、それだと「相手の立場になって考えましょう」という一般論から一歩踏み込んだ感が薄いので、なんかもうちょっとほしい……というのが正直なところでもあった。
以下気になったところメモ。
- 本書では、現場における課題を「技術的問題」と「適応課題」の2つに分けて論じる。現在は、様々な経営知識やビジネスツールが生み出され、それを実現する技術も発達している。それらの知識や技術など、既存の方法で解決できる問題を「技術的問題」と呼ぶ。一方、そのような既存の知識では解決できないのは、人と人、組織と組織の関係性の中で生じる「やっかいな問題」だ。これを「適応課題」と呼ぶ。
- ひとつは「私とそれ」の関係性であり、もうひとつは「私とあなた」の関係性です。
- 適応課題の4つのタイプ ・ギャップ型 ・対立型 ・抑圧型 ・回避型
- それはナラティヴです。「ナラティヴ(narrative)」とは物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」のことです。物語といっても、いわゆる起承転結のストーリーとは少し違います。
- 橋をかけるためのプロセス: 準備・観察・解釈・介入
解釈のプロセスは、信頼のおける仲間や相棒と一緒にやるのがよいでしょう。さらに最低限、自分の頭の中だけで考えず、一度書き出すなどして、客観的に眺められるようにしてください。
介入自体が、次の観察の入り口であることも忘れてはいけません。
いわはアジャイルなプロセスとして、4つのプロセスを考えてみてください。
ここ まで、 部署 と 部署 の よう な 組織 間 の 問題 を 例 に 説明 を し て き まし た が、 対話 とは 結局、 個人 間 の 人間関係 に 終始 し て しまう のでは ない のかと 思っ た 方 も いる かも しれ ませ ん。 これ は 哲学者 オルテガ・イ・ガセット が 示し た 考え で、 個人 とは「 個人 と 個人 の 環境」 によって 作ら れ て いる という こと に 気付く と、 理解 が し やすい でしょ う。 つまり、「 私」 や「 あなた( 他者)」 とは、 果たして 一対一 の 人間 なのか、 という こと です。
また、対話のよいところは、権限がない人でも取り組めるということです。私は経営戦略論や組織論を専門に研究していますが、多くの研究から見出される知見は、権限がないとなかなかできないものであることが多いです。
- 最近はボトムアップでやろうよみたいな本ばっか読んでるのでこういう全体感を失いがち
そして、「 戦略」 は まさに そうした 中心 的 な 言語 的 装置 で ある と 述べ られ て いる 研究 に 出会い まし た。ここ では 戦略 を 考える 人 と、 それ を 実行 する( さ せ られる) 人 という 支配 関係 を 気がつか ない うち に 組織 の 中 に 作り出す ため の 言語 的 な 権力 の 発生 装置 だ と 述べ られ て い ます。
- 多能工(たのうこう):情報システム用語事典 - ITmedia エンタープライズ
言う なれ ば、 橋 を 架ける 実践 とは、 こちら だけの 正論 では なく、 両者 にとって の 正論 を 作っ て いく 作業 だ と 言え ます。 この よう に 書く と、 これ は「 相手 と 妥協 案 を 作れ と いう こと か」 と 考える 人 も いる と 思い ます が、 まったく 違い ます。
仕事 は 数字 を 達成 する ため の もの だ、 という 仕事 の 無意味 化 に 伴う モチベーション の 低下
最近この手の本を何冊か読んで、とりあえず組織~個人レベルの考え方はインプットすることができたのかなという気がする。
ただまあ実際に使えるかどうかは別で、知識としてあってもそれを今使うべきなのか気づけないと結局意味がない。 最近は色々と並行して考えているせいか頭がゴチャゴチャしていてあまりいい判断ができてないなと思うことが多いので、そのあたり手を入れていくと良いんだろうなあとぼんやり考えている。