カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「日本の現場」に寄り添った、アジャイル開発の実践! 現場のストーリーで、開発の神髄を学ぼう
【本書の特徴】 ・現場のストーリーから、考え方とプラクティスを一緒に学べる ・1人でも始められる業務改善の手法から、チームマネジメントの手法まで解説 ・日本の現場を前提にしているので、実践しやすい ・アジャイルをこれから始める人だけでなく、もっとうまく実践したい人にも最適
【本書に登場するプラクティス】 モブプログラミング / バリューストリームマッピング / ユーザーストーリーマッピング / 仮説キャンバス / ハンガーフライト / カンバン / 期待マネジメント / リーダーズインテグレーション / ファイブフィンガーなど
しばらくこういう方面の知識をアップデートしてなかったので気になっていたところ、セールで安くなってたので読んでみた。
読む前は「ストーリー仕立てじゃなくていいんじゃない?」と思っていたけど、読んでみると案外逆にそこが良かった。 というのも、この本で出てくる開発現場の設定が自分からすると結構悲惨で、自分はここまで悲惨な現場で働いた経験が幸いにして無いので、そうした状況でアジャイルプラクティスなどがどのように活きてくるのか想像できていなかった自分に気づけたのが良かった。
まあ、もちろんストーリー仕立てである以上ある程度のご都合主義的展開は避けられないわけだけど(だって、この本は小説じゃなくてあくまで実用書なのだから……)、契約を盾に攻撃されるシーンなんかは感情移入して結構胃が痛くなりながら読んでたし、いい塩梅だったのではないかと思う。
ユーザーインタビューは本来はもっと早い段階にやるべきだったのでは?とか読んでいて気になったこともあったけど、そのあたりはストーリーの方を取ったのだと思っている(し、現実では実際そうなりがちということも良く分かっている)。 なので教本というよりは追体験という雰囲気で、この本にあることをやったら良いというものではなく、追体験した上で自分としてどうするのか考えることが求められていると感じた。
内容としては、スクラムの範疇に留まらずサービス開発に必要な要素が薄く広くまとまっている印象だった。 既知の概念も多かったけど、それらがまとめられていることにも意味はあると思う(もちろん、自分にとって未知の概念もいくつかあった)。
これまで僕が他人にこの手の本をおすすめするときは、とりあえずスクラムについてインプットしたいときはサクッと読める
- 作者: 西村直人,永瀬美穂,吉羽龍太郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/02/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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をおすすめしていて、 そこから更に掘り下げたいときは
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
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アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
- 作者: Mike Cohn,マイクコーン,安井力,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2009/01/29
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Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
- 作者: アッシュ・マウリャ,渡辺千賀,エリック・リース,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/12/21
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あたりをおすすめしていたのだけど、その中間ステップとしてカイゼンジャーニーを差し込むと良い塩梅に感じた。
より良いサービス開発の参考になるし、勇気を与えられる良い本だと思う。