下林明正のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

フォロワーからリーダーに転身するときに、何を意識するとうまくいきやすいのか

  • フォロワーからリーダーに転身するときに、何を意識するとうまくいきやすいのか?ということを考えていた
    • リーダーとかフォロワーという言葉は意味が曖昧だけど、ここでは「自ら課題設定して解く人」と「渡された課題を解く人」くらいの意味
  • 結論としては、まずはロジックツリーで課題を分解する癖を付けてくれ、で良いような気がしてきた。ロジックツリーが以下を満たすからだと思う
  • 実践できていると、他者に説明可能な状態になっていることも期待できる
    • 説明してもらえると、リーダーのマネージャーはそのリーダーに安心して任せられる。説明がおかしかったらサポートしようになる
    • 課題の対処に今の枠組みを変える必要(権限の不足など)があるなら、枠組みを変える提案も含めてして欲しい。一方、枠組みを変えるにはそれなりの妥当性が必要。なので、説明可能であって欲しい
    • 仮に誰にも説明する必要が無かったとしても、説明不能な考えはどこかが破綻している可能性が高いので避けたい
    • 関連: 提案の型 - 下林明正のブログ
  • さらに付け加えるなら、実際には最初に立てた計画通りに全部うまくいくなんてことは無いので、検査と適応を繰り返していって欲しい

課題を明確にし、分解し、優先順位を付け、他者に説明できる状態を作ることが重要。また、計画に柔軟に対応する姿勢も必要。

他者育成について考える際に自分が意識していること

話す機会が多いわりにどこにもまとめられてなかったので書いてみる。

主には以下の3つを意識している。

これらを総合すると、大筋は以下のステップになると考えている。

  1. 本人のキャリア意向をヒアリングする
  2. チームとしての意向を決める
  3. 各意向を考慮しつつ、SL理論でいうところの指示型〜援助型の領域がどんなところにあるか見極める
  4. 領域に応じたタスクアサインをする
  5. ティーチング・コーチングを通じて関わり、評価とフィードバックのループを回すことで育成する

特に誰に習ったというわけでもなく個人的に知っていることを繋げたという感じなので、より良い考え方がある可能性は高いと思っている。何か知ってたら教えてください。

未来、人、コードベースの観点で考えていたソフトウェア開発へのアプローチ

ソフトウェア開発 カテゴリーの記事一覧 - 下林明正のブログに仕事っぽいことはよく書いてるけど、2023年はあまり書いてなかった。

2023年前半~中盤に関しては大まかには logmi.jp で話していた通りという感じなので、それ以降をふりかえるには良いタイミングだし忘れないうちに軽く書き出しておこうという気持ちになった。

未来、人、コードベースの3つの観点で主に考えていた

実現したい未来を考えて、その実現に不足していることは何か考えて埋めていく、というアプローチを基本的に取っている。

なので、実現したい未来に対して主に不足を感じているのが人やコードベースだったということだろう(あくまで「実現したい未来に対して」というところに注意)。

よく参照しているエンジニアリングマネージャ/プロダクトマネージャのための知識体系と読書ガイド #マネジメント - Qiitaの分類に当てはめてみるなら、

  • 未来=プロダクトマネジメント
  • 人=ピープルマネジメント
  • コードベース=テクノロジーマネジメント

と言えるかも知れない。

コードベース以外にテクノロジーマネジメントで考えることはあるだろうけど、単に今の主要な関心がそこにあるというだけだと思っている。他の分野についても同様。なので、将来的には変わっていくはずだし、変えていきたい。

プロジェクトマネジメントが登場していないのも多分そういうことで、自分がプロジェクトマネジメントを比較的得意にしていてそこに関してはある程度満足できる状況に改善できたつもりなので、主要な関心ではなくなってきているのだと思う。

未来

これに関してはオープンインターネットで語れることはあまり無いけど、どれくらい先の未来について主に考えるべきか考えるべき、という気持ちになることもあった。

例えば、食べ物が無くてめちゃくちゃ辛いという状況だとしたら、人生計画はどうしようとか悠長に考えている場合じゃ無くて、まずは目先の食べ物を確保することに注力した方が良いと思う(動物的だ)。逆に、人生計画について考えてみた方が良い状況というのもあると思う。

今、自分がどんな状況にあるのか、それを踏まえて何について考えるべきなのか、考えてみても良いと思う。

あとは、未来について定期的に話す機会を持つことも重要だと改めて感じた。思った以上に、話してみるとギャップがあることに気づけたり、逆にギャップがないことを確認できたりするものなので。

育成方針表というのを手元でつくって運用した。 内容としては、こういう理由でこの人にはこういう風に成長して欲しい、なのでこういうアプローチをしてみよう、というもの。 そして、育成方針表を見ながら会話する定例も実施した。

両方とも、普段から常に意識して仕事するのは難しいので、意識的に視点を切り替えようとする試みだったと思う。 もう少し言い換えると、普段は「現在」に着目しがちなので、意識的に「未来」に目を向けるように仕組み化した、ということだったと思う。

そして育成について考えていて気付いたこととして、SL理論的な関わり方は前提として、形式知を流し込む→経験させる→暗黙知を獲得していってもらう→自立させる、という流れを強く意識し始めた。

この中でも重要視しているのは「型」で、型というのは形式知のエッセンスだと感じている。 特にリーダーシップの発揮について関心があったので、例えば以下のような型をまとめていたりした。

shimobayashi.hatenablog.com

他には例えば、開発プロセスについて話すときは未だに

scrapbox.io

を良く参照している。

手前味噌的な型の紹介に比重が寄ってしまった。本来は、世間一般の型に寄せた方が無難だと思う。ただ、自分が不勉強なせいなのか分からないけど、世間一般の型が分からないときには自分自身の経験を形式知として抽出するのはやってもいいと思う。世間一般の型も最初はそうして生まれた物だろうし。

こういうのは守破離と言ってしまっても良いかも知れない、再発見ですね。

「人を育成できるというのは傲慢だ」みたいな言説もたまに見かける気がするけど、メンバーシップ型雇用をやってる限り避けられない問題だと思うし、自分自身も育ってきたし育てられてきたという自認がある。 一方で、人が急に育つことは稀で、全く変化が無いということも稀という印象もある。 なので、気長に取り組んでいくべきトピックなのだと思っている(これはつまり、急ぐなら育成に軸を置いてはいけないということでもある!)。

コードベース

コードベースに限らずテクノロジーマネジメントに関しては自分が明るくないところなので、アプローチに難儀している(だからこそ主要な関心として残っている)。 一方、別に自分だけで全部やらなきゃいけないわけじゃないので、テックリードとタッグを組んで取り組んでいた。

これに関しても「人」と同様の理由で、技術的方針をテックリードと一緒にまとめた上で、定例を実施して未来視点に意識的に切り替えるようにしていた。

そうして状況を進めることはできたけど、最近はまた スクラムで余白をつくるにはどうするといいのか - 下林明正のブログ に書いていたような問題が出てきたなと思っている。 これはこれでどうするか考える予定。

演繹と帰納

一歩引いて、少しメタにふりかえってみる。

2023年に読んでから良く思い出すエントリーとして、

ashiki-feelings.blogspot.com

があった。 サッカーのことも数学のことも全然知らないけど、演繹と帰納という分類が強く印象に残っている。

ここに書いた自分の考え方を分類するなら、きっと演繹なのだと思う。 別にこれに限らず、自分は演繹的なアプローチを好む性格だと思っている。

ただ、メンターと話していて「下林さんの演繹的な姿勢は基本的には正しいと思うけど、それがうまくいかなかったときにも演繹的な姿勢に拘りすぎるところがあるよね」的なことを言われて、以前からそれは本当にそうで、自分が抱える問題だと改めて認識するようになった。

なので2024年は、うまくいかないことが出てきたときに帰納的な考え方で頭の中のモデルを更新できるようになりたい。 うまくまとまりましたね。

提案の型

仕事で何か提案するとき、うまくまとめられなくて提案が通らない、ということがある。

一般的な名称を知らないけど大体

  • 背景
  • イシュー
  • 施策と計画
  • うれしいこと
  • (だからやるべきです)

というような型を使うと、うまくまとめやすいと思ってる。

適当に検索しただけでもそれっぽい画像が含まれるページをすぐにいくつか発見できた。

型にはめて考えてみることで、足りてない情報や明確にすべきメッセージに意識的になれる、といったメリットが得られると思う。

(だからやるべきです)

課題を洗い出して対処してるだけでうまくいくのか

  • 課題管理表などを使って課題を洗い出して対処していくというアプローチは一般的な印象があるけど、本当にそれでうまくいくのかひっかかりがあった
  • よくよく考えてみると、このアプローチでは未知の未知には対処できてないことに気づいた
  • 未知の未知への対処がなんなのかと考えると、探索なのかなと思う
    • じゃあ探索がなんなのかというと、色々ありそう
    • 課題の対処そのものが探索でもあるということはよくありそう
    • 自分が気にしてるのは、どれくらい探索を意識するか、ということなのかな
  • どれくらい探索を意識するべきなのか、というのはどれくらい不確実性が大きいのか、によるのかと思う
    • 不確実性が小さい領域は既知の知、既知の未知でほぼカバーできていそう
    • 不確実性が大きい領域は未知の未知が大きそう
  • 結局、Vモデルと反復型開発の境界をどこに置くのか - 下林明正のブログと同じような話だな、と自分の中ではなった
    • 実際のところは、課題を随時洗い出していくのが通常だと思われる
    • 自分が気にしているのは、繰り返しになるけどどれくらい探索を意識するか、なのだと思う

追記

  • シングルループ学習とダブルループ学習じゃんと言われて、たしかに、となった

自分がファシリテーションするときに気をつけていること(2)

過去にshimobayashi.hatenablog.comで色々書いてたけど、長い。

個人的には、以下のようにまとめられそう。

  • 最速で最高の決定を目指す
  • そのために、自分自身を含めた誰に水を向けるか考える
    • 答えを出せそうな人
    • 答えを出すために必要な情報を持ってそうな人
    • 答えを出すために必要な考え方を持ってそうな人
  • 決定ごとに合意を取る
    • 色んな人の意見を聞いた方が良いと思いがちだけど、意見を聞いても答えが変わらないなら聞く時間が無駄なので意識的にやめる
    • なので、異議が無いかだけ確認する
      • あとでちゃぶ台をひっくり返されたくないときは、決定権を持つ人に意識的に確認する
  • こういう動きをするためには、参加者の特性や力関係などを把握しておく必要がある
    • なので、これは司会ではなくファシリテーション

もちろん「若手に考える訓練をさせたい」とか色んな理由で違うやり方をやることもあるだろうけど、基本的にはこれで良いんじゃ無いか。

言い出しっぺの法則が好きでは無い

  • 言い出しっぺの法則というものがある
    • アイディアを言った人が責任を取って実行しなきゃいけない、みたいな慣習
  • でも、無い方が良いと思っている
  • なぜなら、アイディアは多い方が良いと思っていて、言ったら実行しなきゃいけないだと言わなくなるモチベーションが働きそうだから
    • たくさんアイディアを出した上で、良いアイディアには適切なアサインをして進行したら良いじゃん、と思う
    • その上で言い出しっぺに任せるのが適切なら任せたら良いと思う
  • 逆に、ゴミみたいなアイディアを量産して他人に押しつけるような人がいたら、言い出しっぺの法則はあった方が良いのかも知れない
    • 理由としては後ろ向きで、そんな人はそもそも居て欲しくない感じはする