以前日記に書いた"火吹山の魔法使い" と一緒にデストラップ・ダンジョンも譲ってもらっていたので、遊んでみた。
何年か前に発売されて「ゲームブックも萌え化の時代か」と少し話題になった作品ですね。
何度か挑戦してみたのだけど進行上死んでしまったり敵に打ち負かされたりでこりゃ今日中には無理だなあと思ったので、ネットを眺めてひと通り本文を眺めて満足することにした。
そうして眺めていると、ファイティング・ファンタジーシリーズなので食糧で体力を回復するルールがあるのだけど、今作にはそもそも食糧を食べられるタイミングが存在しないということが分かった。その後本文を眺めても確かにそういうタイミングは無さそうだったので、そういうことなのだろう。 旧版では戦闘以外の好きなタイミングで休憩を取ることができたようだから、これはかなり厳しいバランスになっているのではないだろうか。
全体的にヒントも少ないし簡単に死ぬので、まあ良くも悪くも死にゲーですね。
ちょっと調べてみると、旧作の方はファイティング・ファンタジーシリーズの6作目ということだったので、ある程度慣れてきたプレイヤー向けだったのかも知れない。
個人的には、火吹き山の魔法使いには及ばない内容という感触だった。 バランスの話もあるけど、それ以上に物語としての面白みに欠けるし、ダンジョンに魅力を感じない。
魅力のあるダンジョンってどんなものかと考えると、僕としては「生活感がある廃墟」というのが魅力的なダンジョンではないかな、と思っている。 この辺の感覚はあまり上手く言語化できないけど、何というかダンジョンと周囲の生態系が一体になったときに初めてダンジョンにリアリティーが与えられている感じがするんだよなあ…。 その点この作品のダンジョンはどちらかというと競技場という感じで、確かに経済的には組み込まれているんだけどそれ以外の何者でもなくて、違和感の方が強い。
得るところがあったとしたら、棒の罠で上を渡るかまたいで通るかで性質が変わったところとかかなあ。 TRPGとか遊んでても大体罠って解除法が1つあるか達成値振って超えたか超えなかったかみたいな単なる障害物でしか無いんだけど、対処の仕方がいくつかあって、それによって性質が変わるというのが良かった(まあ、TRPGだと搦め手で回避する方法が無いわけでもないけど、これは単なる抜け道探しに近い)。そういう罠の方が、遊んでる側としても考え甲斐があって楽しいと思う。
あとあれですね、主人公がビキニアーマーの女の子やらになったことによって、リョナゲーとしても成立してるんじゃないっすかね…という感じ。
- 作者: イアン・リビングストン,空中幼彩,あっと
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
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ちなみに旧版の方の挿絵は相変わらず魅力的だったので、ファイティング・ファンタジーの挿絵画集なんてあったら是非欲しいなあと思った。