- 作者: ロバート・J.ソウヤー,Robert J. Sawyer,内田昌之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/05
- メディア: 文庫
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ネタバレあるので注意。
おすすめされたので読んでみた。 読みやすく、おもしろくもあった。
読み始めでは映画っぽい構成だなーと認識して内容も派手目かと連想したけど、読み進めるととにかく人物描写が続くという感じだった。 一応ジャンルとしてはSFだろうけどSF要素はあくまで舞台装置に過ぎなくて、一貫して主人公の人物描写が行われている。 一方で、特にメッセージ性は感じなかったのでオチはないような印象。
なので、人物描写を楽しめるかどうか・主人公に共感できるかどうかにこの小説の評価はかかっているのではないか。 個人的には「妻の父親が実は鬱だった」の下りがグッときた。この小説における人間関係の掘り下げ方がワンホップ広がり現実味が与えられて良かった。
SFらしい面白さみたいなのは特に無くて、不倫とか殺人とか家庭問題といった様子で人間味のある話の流れ。 舞台である2011年の描写にブックリーダーなどところどころそれらしさを感じるものも、1995年発表の小説ということを考えるともう一歩踏み込んで2011年を描写して欲しかった。
というわけで、軽い気持ちで寝る前に読み進めるには都合の良い小説だったと思う。サクっと読めるしおもしろい。