下林明正のブログ

思いついたことを適当に書いています。

失敗学のすすめ を読んだ

失敗学みたいなやつ何かしら触れておいたほうがいいなーと思って数年経ったのでいい加減読んだ。

失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される―。「失敗は成功の母」を科学的に実証した本書は、日本人の失敗に対する考えを大きく変えた。

全体的な感想から言うと、自分が読みたかった内容は序盤の方(1~3章くらい)で終わってしまって、それ以降はそんなに興味がない内容がずっと続いたというのが正直な印象。 自分のモチベーションとしては、失敗の活かし方みたいなのよりも、失敗を構成する要素をもっと分析的に学んでみたかったのだと思う。

自分が強い興味を持ってハイライトした箇所は以下の通り。

じつは、これらの点に関して、地元の消防対策関係者から再三にわたって防災対策の要望がなされましたが、当時の国鉄はこれを聞き入れず、「検討する」とだけ答えてなにひとつ対応しませんでした。こうした失敗が大惨事を招いた原因であるのは、疑いの余地もありませ

このような「ずさんな衛生管理」の最大の原因は、従業員が毎日毎日残業で、主人など夜十時か十一時頃に帰ってきて、疲労がとれぬまま、また翌日朝早く出ていく状況。若い女子社員にもこのような過酷な労働が行われています。会社は業績のみにとらわれ、上司は保身に徹し衛生管理は最後の最後になるの

最も危険物になりやすいといわれる炭塵は、じつは清掃と水 撒きによって容易に爆発を防ぐことができます。ところが、おりからのエネルギー革命で石炭から石油へと転換が進む中、当時は利益率を上げるために大量解雇による合理化が進められたため、安全管理のための作業を担当する人間までが減らされて大惨事へと発展したのでした。合理化などを背景に最近頻発している企業がらみの事故やトラブルにも通じるものを感じ

どちらかというとこの本の内容の中では「失敗を起こす組織の原理」みたいな方に興味が向いたみたいですね。 失敗の原因を個人に求めて矮小化してしまうのではなくて、正直にメタに見ることで意味のある行動が起こせるようになる、というようなこともこの本のそこかしこに書かれていたように思います。

とはいえ現実には利益が優先されるのはありがちだと思いますし、そうした環境下ででプロアクティブに問題を解消するのはなかなか難易度が高いように感じます。 潜在的なリスクを利益に対する具体的な脅威として数値化して上位レイヤーにも共感可能な形で提案できる能力があるとこの辺りはもう少しマシな対処ができるようにも思っているので、その辺り自分としては取り組んでみたいところです。

自分の興味が組織論的な方面に向いているとすると、

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

  • 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1991/08/01
  • メディア: 文庫
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こっちの本を読んだほうがいいのかも知れない。

しかしどんなに有能な人であっても自動車のように多数の部品からなる複雑なシステムのすべての詳細をひとりで把握することは不可能です。そこで実際のCEには、それぞれの部門の役割をある程度理解した上で、異なった部門間の利害を調整する能力が求められ

これも組織論っぽい箇所だけど、これはどちらかというとある程度高度化した組織においてやっぱりこういう役割は必要だよねという共感からハイライトしたという感じですね。