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ものづくりをする人にこそ読んで欲しい本

この本を読み終わった。

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

別に僕は映画脚本を書きたいわけではないのだけど、同僚がこの本の話をしているのを聞いて面白そうだったので借りて読んでいた。

読んでみたところ、この本の内容は映画脚本に留まらずものづくり全般に対して通用する部分が多い。 なので、ものづくりをする人はこの本を読んでみると教養も兼ねて大いに勇気づけられるものだろう。 そう思った。

一番大きいのは、第14章の存在だ。 脚本術についてはひと通り学び、あとは書くだけ、というところだ。 ここで、時間の作り方だとか、書かない言い訳に関する話だとか、途中でやる気を失ってしまう話だとか、そういったものに言及される。

ものづくりをしたことがある人には分かるだろうけど、これらは脚本に限らず全てのものづくりをする上でぶち当たる問題だ。 そして結局はぶち当たった問題を解決できず、ものが完成しないのである。

この章では、そうした問題に対する心構えを説いている。 一流のクリエイターでさえもこうした問題を抱えているのだという安心感と、彼らがなぜ乗り越えられて僕らがなぜ乗り越えられないのかという違いを知ることができる。

これは、大きな宝だ。

次に、やはり映画脚本というものを構造的に捉えようとしている点が非常に参考になる。 構造を考えずただ闇雲に腕を振り回しても、リソースが発散するだけで作品に成らない。

これも特に映画脚本に限った話ではなく、色んなものづくりをする上で共通のことだろう。 つくろうとしているものに映画脚本の構造がそのまま当てはまることは無いだろうが、構造を考える際の大きな助けにはなる。

最後に、「アクションなくして人物はありえないし、葛藤なくしてアクションはありえない」という考え方が良い。これは、脚本を書く上でも、人生を生きる上でも、その通りだと思う。 ダークナイトを観ていた時に「その人の本質は行動が決める」というようなセリフがあってずっと心に残っていたのだけど、近い点を指摘していると感じる。 映画的な引いた視点ではあるけれど、思っているだけでアクションを起こさない人間は何者でもないのだ。

以上のことから、ものづくりをする人にこそ読んで欲しい本だと思った。 最低でも、映画を楽しむ際の教養くらいにはなる。 僕は良い本だと思ったので、借り物とは別に手元に置くためにこの本を購入した。