下林明正のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

"ブレイブリーデフォルト"クリアした

ネタバレされるとかなり盛り下がるので、遊ぶ予定のある人はこの文章を読まないように。

ブレイブリーデフォルト

ブレイブリーデフォルト

評判が良いので遊んでみたいと言っていたら、3DSとゲームソフトを安く譲ってもらえたので遊んでいた。

FFシリーズはFFTを除いて全部(4〜8)途中で投げ出している自分でも楽しく遊ぶことができた。聞いていたとおり完成度の高い佳作だと思う。

作品としての完成度が高いことに加えて、技術的・商業的にもおもしろい試みをしているのが良い。

先ず、ARをつかったオープニングムービー。未だに目新しさはあるし、このゲームの趣旨によく合った演出。

次に、すれちがい通信などを活用したソーシャルゲーム的要素の導入。まあ、ざっくり言うとパズドラなんだけど、ちょっと性質が違う。 パズドラの場合は主にリテンション施策としての意味合いが強いと思うけど、このゲームの場合は中古市場対策としての意味合いが強いだろう。 お陰で僕はソーシャル要素は殆ど活用せずにゲームをクリアすることになった。

このゲーム最大の特徴は、ターンを貯蓄・前借りできる戦闘システムだと思う。 基本的にはポケモンに近い感覚の戦闘だけど、より計画的に行動することが求められる。 リスクとリターンの構造にあるし、誰でも敵のステータスを覚えれば順応できるシステムなので、良い戦闘システム。

ただ、この戦闘システムのせいで雑魚戦まで煩雑になってしまっている。 基本的に前借りするデメリットが雑魚戦には存在しないので、不必要なコマンドまで念のため入力することになってしまっていて、かったるい。 エンカウント率を下げて敵を強くするか、前借りしなかった場合のインセンティブを用意するべきだったのではないかと感じる。

シナリオも良い。 繰り返し性を高めることで限られたリソースの上で内容を膨らませていてエコだし、最後のどんでん返しはバイオショックに似た衝撃があった。 どこかでやったようなシナリオだなあと思ったら、エンドクレジットでシュタインズゲートの人だったということが分かった(ついでに桜庭統の名前も見つけた)。

また、シナリオの多くはサブシナリオに分離されていて任意参加だったり、パーティー会話もプレイヤー任意で参照できたり、膨大なテキストも任意で読んでねだし、イベントもスキップできるようになっていたりする点も、好きな人だけ見てねというスタンスで好感が持てる。 過去のスクエア作品のイメージとしては「映画的押し付けが鬱陶しい」という感じだったので、そこから一歩引いて成熟したなあという印象。

ただ、プレイヤーへのメッセージとしては「誘導を疑え!自分で考えろ!」というところだと思うけど、「自分で考えさせる」誘導が強すぎて結局別の誘導に従っているだけではないかという印象はあった。 もちろんこの誘導をもっと弱くすることは可能だっただろうけど、商業的に考えてそうしなかったのだと予想する。この辺りは商業娯楽作品の限界か。

あと、武人でもなんでもない主人公が人を殺して割りと平然としているのは僕は違和感があった(実は殺していませんでした、というような描写もところどころあったりなかったりするけど…)。 全体的に人形劇のような感じで進む中で、そこだけ無視しているのは逆に不気味だった。 別に人殺しの葛藤みたいなのを描くべきだったとかは思わないけど、さすがになんかもう少しあるだろうという気分。

とまあごちゃごちゃと書いたけど、総じて完成度の高いゲームだった。 一応クリアしたので攻略情報を解禁したところ、真ボスみたいなやつまでは倒してなかったので適当にそこまでやろうかなあという気持ち。


それにしても最近はこういうメタな作品が受け入れられる土壌が育ってきたなあと思う。

このゲームにしても前提として「王道RPG」の感覚を分かってないと本当には楽しめないし、最近だとアニメではやたらと魔王がどうとかいう作品が多いし、ドラマでも勇者ヨシヒコなんてものまで出た。 その一方で指輪物語が映画化されてゆきて帰りし物語まで映画化されたり、世界樹の迷宮だとかデモンズソウルみたいな割りとど真ん中のゲームが先祖返りなのかヒットしてたりする。

DQ3〜5ネイティブの世代が一回りしておっさんになって、こういうことになってるんだろうなあと勝手に思っている。